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Interview

小林裕志に聞く、革新的な空間創造の裏側

伊藤里香が一級建築士であり、Room in Roomプロジェクトの中心人物である小林裕志さんに、プロジェクトの始まりから、その挑戦、そして成功に至るまでのストーリーを深掘りする。


伊藤里香:まずは、Room in Roomプロジェクトがスタートした背景から教えていただけますか?

小林裕志:このプロジェクトは、日常生活における空間の使い方に対して新しい提案をすることから始まりました。コロナ禍以降では、働き方、生活に対する価値観が大きく変わりました。特に都市部の住環境では、限られた住空間をいかに有効活用するかが大きな課題となっています。そこで「部屋の中に、自分らしい居場所を作る」というコンセプトを考え、高強度ダンボールでアイディアを実現しました。
高強度ダンボールを採用したのは、強度や安全性ももちろんですが、リサイクル可能な素材という特徴が大いにあります。そこで我々は、製品を生む出す際に、最終的に廃棄物となる過程まで想定しました。

一般的な家具は処分費を支払って、処理してもらいます。しかし、高強度ダンボール製の本製品は再生可能な素材となり、ゴミにはなりません。 

伊藤:住環境の意識の変化と、高強度ダンボールの特徴を生かした素材の循環の仕組みが、この製品で実現しているのは素晴らしいですね。プロジェクトの初期段階で直面した挑戦について教えてください。

小林:はい、最初の大きな挑戦は、この素材のポテンシャルを最大限に引き出すデザインをどう作り上げるかでした。特に、ダンボールという素材は、接合部の強度に課題があります。これを克服するために、多くの試作とテストを繰り返し、釘やネジを使わずに安定した構造を実現できるデザインにたどり着くことができました。

伊藤:それは大変な作業だったと思います。デザインのプロセスで、特に印象に残っているエピソードがあれば、ぜひ教えてください。

小林:一つ印象に残っているのは、最初のプロトタイプが完成したときです。私たちがこれまで紙と思っていた素材が、適切な設計と工夫を加えることで、まるで木材のような安定性と強度を持つ空間に変わった瞬間は、本当に感動的でした。そのとき、このプロジェクトが社会に新しい価値を提供する事ができる可能性を強く感じました。

伊藤:実際に形になった製品を見たときの感動は、想像以上のものがあったのでしょうね。最後に、このプロジェクトを通じて得た教訓や、これから挑戦したいことがあれば、教えてください。

小林:このプロジェクトを通じて得た最大の教訓は、革新は、常に試行錯誤の積み重ねから生まれるということです。そして、これから挑戦したいことは、Room in Roomのコンセプトをさらに発展させ、より多様な用途や形状の製品を開発することです。私たちの日常生活における住空間の使い方に、さらに多くの選択肢を提供したいと思っています。


小林裕志さんによると、Room in Roomプロジェクトは、単なる製品開発を超え、私たちの生活空間に新たな可能性を提示する挑戦である。その熱意と革新性は、これからも多くの人々にインスピレーションを与え続けることだろう。

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